top of page
kusunoki3.jpg

インタビュー連載「教えて先生!」
教務部長 佐藤克行先生 編(其の壱)

インタビュアー:​令和五年度 PTA「緑会」会長 植田敦

DSC_4565_edited.jpg

「面白い授業」の裏に隠された思い。。。

―本日は、様々なアイデアで面白い物理の授業をされていることが有名な教務部長の佐藤克行先生に「教えて先生!」のインタビューさせて頂きますのでよろしくお願いいたします!

 

こちらこそよろしくお願いします。

 

―先生は教務部長という役職ですが、具体的にどんなお仕事をされているんでしょうか?

学校のいろいろな行事や、各科目の授業数、カリキュラムの管理など、学校全体の日程や授業コマ数などの調整が主な役割になります。

―学校全体のスケジュールを管理されているんですね。理系でパズルが得意そうな佐藤先生ならでは、といった役割ですね。

そんなことはないですが、日々いろいろな調整に迫られる役割ですね。

―さて、授業の面白さはさることながら、先生の授業スタイルや生徒への接し方は、いい意味で教員らしくないなぁと個人的に思っているんですが(笑)、ご自身でそのあたりを意識されていることはあるんでしょうか?

 

特に意識してるわけではないんですが、おそらくそれは、私が教員になるまでの過程がそうさせてるのかもしれませんね。

私は社会人になって、まず半導体の研究所に就職して、営業職を主に任されていました。半導体業界は波があるんですが、その時はかなりバブルの状態で、ボーナスを年に3回ももらってました(笑)

でもそのあと、教師になるために大学に戻ったときにはアルバイト生活になっちゃったので、車とか売れるものは全部売ってしまって、「食べられる野草」という本を買って実践するくらいお金が無くなりました(笑) 基本、100均生活でしたから。

その当時、友達の実家にダメージ加工されたジーパンで行ったら、その友達のお母さんが泣きながら、これでお洋服買いなさい、と言って1万円札を渡されるくらいでした。よっぽどひどい見た目だったんでしょうね(笑)

そんな野草まで食べて教員になろうと思う先生はなかなかいないと思いますよ(笑)

 でもなぜそこまでして教員になろうと思ったんですか?

最初に勤めた半導体の会社でのことなんですが、韓国や台湾にシェアをだんだん取られていったんですよ。それで研究業界の見通しも暗くなっていくみたいな、、、それを当事者として見ていて、当時まだ若かったので、これは日本の教育の問題だと思ったんですよね。科学技術立国ニッポンを再び、って。そのためには理系の教育が重要だから、大学で専攻していた物理の知識を使って教員になろうって思ったんです。今考えると浅はかなんですが、、、(笑)

―浅はかだなんて、そんなことはないと思いますよ。その閃きが「友達のお母さんを見た目で泣かすくらい」の状況も耐え忍ばせたのですから(笑)

DSC_4542_1.JPG

ただ教科書を読む勉強ではなく、

生きた勉強をしてもらいたい。。。

それでも、ただ勉強を教えるのは違うなって思っていて、実際自分が社会に出てみたら、学校で習ったことよりも、それをどう生かすかが重要だってことの方が身に染みていたので、「学校で学ぶこと」と「社会に出て必要なこと」を早くからリンクさせたい、それを中高生の時から学ばせたいと昔から考えていました。

なるほど。それで先生は「探究の時間」をさらに延長させて、海外研修などを企画しているんですね。

はい、そうなんです。今年はベトナムに行って、現地の障がい児がデザインしたバッグやTシャツなど様々な日用品を企画している会社さんに訪問し、その会社さんの状況などをヒヤリングして、どうやったら商品がもっと売れるか、ブランド力を高められるかなどを生徒がその会社でプレゼンしてきます。

実際にくすのき祭ではその商品を販売して、現地の様子も展示します。

こういったことを国内でも継続的に続けていって、ただ教科書を読む勉強ではなく、生きた勉強をしてもらいたいと思っています。

社会に出て、円周率とか虚数なんて使う機会は無いんだから、なんで勉強する必要があるの?ってよく聞きますもんね。個人的なことですが、子供のフレアスカートを作るときに円周率 π(パイ)は使いましたし、電気関係の仕事をしていた時には虚数を使っていました。だから、先生のおっしゃっている通り、実生活や職業において、学校で学んだことをどう使うのか、ここのリンクがとても重要ですね。

 

はい、そうなんです。逆にそれが分かると、テストで高い点を取る以外の目的が持てて、勉強がもっと身近で楽しくなると思うんですよ。

ー本当にそうですね。そうすると、「三角関数は社会に出たら使わない」じゃなくて「三角関数ができないと、それを使う職業(そして人生)を選べなくなる」という考えに至ることもできますもんね。

はい、まさにその通りで、だからこそ生徒たちには学生時代から社会と関わってほしいと思って、微力ではありますがそういった活動を本校で行っています。

ーありがとうございます。佐藤先生の「野草を食べてまで生徒に伝えたかった実社会とリンクした教育」について伺うことができました。

 次回インタビューでは、先生の専門である量子力学から見た「親が考えなければいけない子供の伸ばし方」や、物理の法則から考える「遠距離恋愛における2点間の距離"r"が恋愛成就に及ぼす影響についての考察」という佐藤先生が考え出した画期的な恋愛法則についてお話を伺っていきたいと思います。

bottom of page