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インタビュー連載「教えて先生!」
生徒部長 大塚禎先生 編(其の壱

インタビュアー:​令和五年度 PTA「緑会」会長 植田敦

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本当にウチの生徒を誇らしく思います

―本日は、神大附属が設立されたときからこの学校の教員をされていらっしゃる大塚禎先生の歴史も紐解きながら「教えて先生!」と題してインタビューさせて頂きますのでよろしくお願いいたします!

 

こちらこそよろしくお願いします。

 

―まず最初に、先生は神大附属何年目でしょうか?

担任と学年主任で20年、その他はずっと生徒部を担当してきて、今年で39年になります。

今年の中一が39期生ですから、本当に附属の生き証人としてずっと生徒を見守ってるんですね。

PTA会長という立場上、たくさんの保護者の話を聞くのですが、

皆さん口をそろえて「大塚先生は本当に生徒が大好きな先生」とうかがいます。

いえいえ、役職柄そう言ってもらえる立場にあるだけです(笑)。

私なんかただ長くここにいるだけですが、もうすぐ学校も私も40年を迎えるくらいの年になってきて、

卒業生から「自分の子供を神大附属に入れたい」と聞くようになってきたので、本当にうれしい限りです。

そういった期待に応えるためにも、時代によって変える部分があっても、昔からのいい伝統は残しておいてあげたいなって思っています。

ただ、「自分の時代より偏差値が上がってて、簡単に入れられない」ともよく言われますけどね(笑)

 

―そうですね、それは大塚先生でないと分からない長期的な視点ですもんね。

この学校の特徴と言えば、先生の担当教科でもある体育での男女混合の授業ですよね。

生徒たちから、身体差があってもチームで作戦を立てながらそれぞれの役割を担ってゲームをするのが楽しいとよく聞きます。

 

はい、本校の体育の場合、例えばバスケの授業の最初に「女子には男子がマークしちゃいけないよ」って言うと、

最初男子はみんな「えーっ」って言うんですよ、やっぱり。

でもそこで、「自分の努力では如何ともしがたいこと=身体的差」「個人の得意・不得意=バスケ経験者」「お互いの得手不得手を補い合う事=作戦を立てること」を説明すると、与えられた状況とルールで、どうやって自分たちの強みと弱みを作戦とチームワークで勝利につなげるか、生徒たちでミーティングしながら始めてくれるんです。

これが、うちの学校の「互いの役割を意識して尊重し合う姿勢」とか「助け合いの大切さ」をまさに表してるんです。

―以前、大塚先生に、「男子から女子にパスを出して取れなかったときに、普通だったらそれをキャッチミスって言えるところを、パスを出した男子の方が『おれのパスの出し方が悪かった』って言ったんだ」というエピソードをうかがったことがありましたよね。

これを聞いたときに、バスケという教材を使って、体育という科目以上のことを子供たちが学んでると感心しました。

 

はい。ほかにも、バスケの授業のときには、

バスケ部の生徒に対しては「君たちの活躍の場は部活だよ。体育では、みんなにバスケットの楽しさを知ってもらえるように考えてみて」って声掛けするんです。そうすると、バスケ部の生徒たちは、他の生徒が楽にシュートが打てるようにとか自ら考えて裏方に回るんです。

そしてテニスの授業になれば、今度はテニス部の子たちがバスケ部の裏方姿を見て学んで、自分たちもテニスを楽しんでもらう側に回るんだって意識して始めるんです。

自分でシュートを打てるバスケ部の子が、あえてパスをする。パスをされた生徒は生徒で、バスケ部の子の心意気が分かるから運動が得意でなくても一生懸命シュートするんです。たとえシュートが外れても、バスケ部の子が「次は大丈夫だから」ってその子に声掛けするんですよ。

そういう場面を見るたびに本当にウチの生徒を誇らしく思います。

 

―インクルーシブな教育とか最近よく言いますが、そういう授業を受けられる学校に自分の子供が通っていることを改めて認識しました。ありがとうございます。

こういった学校の一コマを掲載しているこの緑会ホームページは神大附属を受験したい方も見ていただくようなんですが、先生から何か受験生やその保護者に伝えたいことはありますか?

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別に東大を目指してこの附属に入ったわけじゃない

一生懸命部活をして、

一生懸命勉強したら東大に入ってた

学校説明会や見学会で、

「学校の本当の雰囲気を知りたかったら、文化祭や説明会で学校に来た時に生徒に話しかけてください」ってよく言います。

「生徒にこの学校のことを直接聞いてください」って。

そして、この学校の雰囲気、例えば、勉強以外でも自分の好きなことができる環境だってことを感じてほしいです。

ーそうですね。神大附属は本当に自分のやりたいことができる環境がありますよね。

全国大会に行く部活もあれば、自分が思いついたら活動内容に縛られずに突き詰めてやることができる部活があったり、

受験という面では東大に入るような生徒もいますもんね。

 

そうなんですよね。

バスケ部では2年連続で東大に入ってるんですが、彼女たちは別に東大を目指してこの附属に入ったわけじゃないんですよね。

一生懸命部活をして、一生懸命勉強したら東大に入ってた、という感じです。

 

ー確かに、東大・京大が至上命題の超進学校の生徒が東大に入るのと比べて、

この学校に入って部活や勉強に目覚めて、結果、東大に入ったという方がすごいですね。

 

私もそう思うんです。

中学に入ったときは東大なんて全く考えてなかった子たちが、「KUプライド」「自ら考えて行動できる人」というこの学校に根付いた考えを学んで、授業が始まる前にシュート練習したり、部活と勉強を両立させてそういう結果を残す。

これがこの学校のいい所だと思うんですよ。

そういった生徒の生の声を来校されて聞いてほしいですね。

ーありがとうございます。素敵な体育の授業な話、何事も一生懸命できる土壌がある神大附属の校風をうかがうことができました。

次回インタビューでは、先生の神大附属に入る前のお話しも深掘りしていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

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