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​ 緑会会員の皆様へ 
ご理解とご協力のお願い

​令和五年度 PTA「緑会」会長  植田敦

今の学校が置かれている状況と問題点

会社勤めの保護者の方はよくよく耳にされているかと思いますが、政府主導の「働き方改革」によって、雇用主は労働者への残業を最小化し、その管理徹底も求められるようになりました。

 

長時間労働による労働者の負担は社会問題化していたのでそれによって救われた方が少なからず存在したことは喜ばしいことです。

実は、私立の教員も同じように労働基準法が適用されます。

すなわち普通の会社員と同じ法律が適用されるわけです。これは公立校と大きく異なる点です。

 

皆さんもご存じのように、「先生」という職業は、生徒のためにと頑張る良い先生ほど労働時間は長くなる傾向にあります。

部活の顧問をやっていればなおさらのことです。

 

これはICTやAIが発達してもなかなか改善されることではありません。

その理由はもちろん、生身の人間を相手にする職業だからです。

 

このような先生でも、少し前までは割増賃金を払うことで残業が法律で認められていました(労使協定は必要)。

 

しかし、昨今改正された法律によって、残業の上限時間が設けられ、原則1日2時間程度となった上に、一定以上の残業時間に対する割増が25%から50%に割増しされました。

 

これによって、学校側の支出が増えて経営に負担がかかることもさることながら、今まで授業の準備や生徒対応、部活や学校の催事に費やしてきた勤務時間を、やる内容を変えずに時間だけを短縮することが求められるようになりました。

​それでも頑張る神大附属の先生方

もちろん、学校側も先生方の負担を減らすために放課後自習室や、変形時間労働制を導入したりしていますが、東京の私立学校と比べて1億円以上の助成金格差があるため、学校側の限界もあります。

 

加えて、やる気のある、親身な先生は生徒にかける時間を簡単に減らすことはできません。

生徒一人ひとりに時間をかければ、必然的に勤務時間は長くなります。

しかし最終的には、そういう先生も勤務時間をいつも気にしながら、後ろ髪をひかれるように退勤していかざるを得ないのが昨今の学校の状況なのです。

幸いというか何というか、神大附属にはこのような生徒思いの先生があふれています。

 

緑会から学校への助成金の額を見直したいと言えば、「これは生徒のために必要なんです!」と、生徒の学校生活を良くしたいという一心で、20歳以上も若い私に頭を下げ続ける先生。

 

「学校は勉強だけじゃない。勉強ができなくても、この生徒には何か勉強以外で興味を持てるものがあるはずだ」と、生徒と一緒に真剣に悩んでくれる先生。

 

退職される最後の年まで、「神大附属に何か残せないか」「蒔ける種は何かないか」と学校と生徒の将来をいつも気にかけ、

学校中を歩き回っては、自習室や教室の外からそっと生徒たちを見守っている先生。

 

私は緑会の役員になってからしばらくして、

このような素晴らしい先生方が、法律の壁と闘いながら、

ある時はその矛盾に葛藤し、それでも生徒のためにと奮起しながら「先生」として働いている現実に気づきました。

​緑会員の皆様へ 

ご理解とご協力のお願い

「どこの会社でも同じだ」と言われるかもしれませんが、

自分の息子や娘がこのような先生たちに囲まれていることは有難いことだと思いますし、

このような先生方が神大附属にずっといてくれることは子供たちの将来にもきっとプラスになるはずです。

 

保護者の皆様に置かれましては、良い先生が長く神大附属の教壇に立ち続けていただけるように、今の先生方が置かれている状況を少しでも理解していただければ幸いでございます。

 

また、本年度から「シン・緑会」として、PTAの原則である生徒ファーストの信念は貫きつつ、

先生方や学校へのサポートも重要な位置づけとして活動してまいりますので、理解とご協力を賜れれば幸いでございます。

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